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【公共交通機関でアクセス】春は千本桜・冬は霧氷が人気!関西のマッターホルン「高見山」に登ろう~コース紹介と注意点など

高見山は奈良県と三重県にそびえる美しいピラミッド型をした山で、その山容から「関西のマッターホルン」とも呼ばれています。

一年を通じて楽しめる山で、360度パノラマの山頂から望む景色は圧巻。条件が合えば伊勢湾まで見渡す事ができます。

今回は、公共交通機関でのアクセス方法と登山コースの案内・注意点や温泉情報など、気になるポイントをまとめてみました。ぜひ参考にしてお出かけください!

山の情報|高見山(たかみやま)

高見山とは

  • 奈良と三重県の県境にそびえる標高1,248mの山
  • 日本三百名山
  • 三角錐の尖った山容から「関西のマッターホルン」と呼ばれる
  • 山頂は360度パノラマの大展望
  • 山頂に「八咫烏」を祀る祠がある(日本神話に登場するカラスで導きの神として信仰されています)
  • 奈良県・三重県側からの登山道がある

マップ

高見山登山|おすすめの季節

春|高見の郷「千本桜」(2024年開園情報)

https://shidare-sakura.jp/

高見山の近くに千本のしだれ桜が楽しめる「高見の郷」があり、春には直通バスが運行されるほどの人気スポットとなっています。

標高650mに位置する庭園は「天空の庭」と呼ばれ、桜の背後に山々が連なる絶景も楽しめるとのこと。

高見登山口から徒歩20分ほどの距離にあるので、登山の前にぜひお花見も楽しんでくださいね。

※2024年は3月30日(土)~4月21日(日)9時~17時の予定
要入場料(2023年度は1500円でした)
近鉄榛原駅から直通バスが運行(往復の予約のみ)
詳しくは下記HPでご確認ください

YAMAP地図より

高見登山口バス停の前にトイレがあり、そこから徒歩約20分のところに高見の郷があります(緑丸印)

グーグルマップより

冬|幻想的な霧氷の景色

11月に入るとブナの紅葉がとても美しく秋の登山もおすすめですが、高見山で一番登山者数が増えるのは霧氷の季節です。

落葉したブナが氷を纏い山肌を真っ白に輝かせる1月~3月は、晴れた日には青い空と霧氷の白のコントラストが美しく、空気が澄んだ日には連なる山々を望むこともできます。

山頂付近の稜線はエビのシッポが巨大化し、氷の芸術にも目を奪われます。

ポイント

エビのシッポとは、空気中の水分が樹木などに当たって結晶化し風上側に向かって伸びたもの。

おすすめの登山コース

今回おすすめするのは縦走コースですが、たかすみ温泉からの往復コースも人気です。

【高見山縦走コース】高見登山口→高見山→たかすみ温泉

高見登山口からは旧伊勢街道の緩やかな石畳の登りが続きます。

林道に出るとそこは小峠と呼ばれる分岐点で、右に進むと大峠(高見峠)から山頂を目指すこともできます。この場合少し距離が長くなるので、体力や時間など考慮して選ぶようにしてください。

小峠から鳥居をくぐって50mほど一気に標高を上げると、冬はこのあたりから樹氷が楽しめます。

標高1,248m
歩行距離約7.3km
歩行時間約4時間40分
標高差登り約858m・下り約858m
レベル初心者コース
登山コースの目安(休憩含めず)

公共交通機関でのアクセス方法

菟田野停留所でコミュニティバスに乗り換え

コミュニティバスを事前予約することで登山口までアクセスすることが可能です。

8:40発のコミュニティバスは前日19時までに予約が必要です。
その他の便は乗車時刻の2時間前までに要予約
予約窓口:0746-42-0441

高見登山口への行き方(土日祝)

  • 近鉄榛原駅南口 8:18発 「菟田野行き」乗車
  • 終点「菟田野」8:38着 
  • コミュニティバスに乗り換え 8:40発
  • 高見登山口 (9:25着の予定)

コミュニティバスは予約のある区間のみ運行するので、予約状況によって出発時刻・到着時刻が前後します。

Marippe
Marippe

私たちが利用した時は9時05分ごろに高見登山口に到着しましたよ

帰りはたかすみ温泉から(土日祝)

  • たかすみ温泉から予約した時間のコミュニティバスに乗り込む
  • 菟田野で乗り換え
  • 近鉄榛原駅南口着

コミュニティバスの乗り場はたかすみ温泉の出口横にあります。霧氷バスの乗り場とは異なるので注意してくださいね。

コミュニティバスが早めに菟田野へ着いた場合、奈良交通への乗り継ぎに少し待ち時間が生じます。(私たちの場合は30分だったので近くのローソンまで乗せていってくださいました)

コミュニティバスの詳しい情報は下記の「ふるさと号利用のてびき」をご覧ください。

http://www.vill.higashiyoshino.nara.jp/life/wp-content/uploads/sites/2/2022/03/hy_communitybus_guidance_r4.4.1.pdf

霧氷バスについて

高見山への「霧氷バス」は毎年2月の土日祝日に運行。
2024年度から事前予約制になりました。

注意点

  • 予約は利用1カ月前から前日17時まで
  • ネット予約は往復便のみ、事前決済(クレカ・コンビニ)となります
  • 片道予約、現地決済(現金・交通系ICカード)を希望の方は電話にて予約
  • 寒波後はすぐに埋まるのでできるだけ早めに予約を!
Marippe
Marippe

寒波後に予約しようと思ったらすでに満席でした(涙)

去年まで事前予約が必要なかったので、今年は「バスの予約ができなかった!」という人が多かったのでは?と思います。

予約センターの方に伺ったところ、寒波後は予約が殺到するので天気予報を確認してからだと満席になっている可能性が高くなるそうです。

事前のキャンセルが可能なので(当日も可)、早めに予約しておくことをおすすめされました。電話予約で現地決済にて予約手続きをしてください。

去年三峰山に登った時は3〜4台のバスが出ましたが高見山は1台のみの運行でした。定員人数の記載がないので何とも言えませんが、もし1台ならすぐに埋まってしまうと思うのでお早めに!

今年霧氷バスを予約できなかった我々でしたが、コミュニティバスを利用してなんとか高見山へ向かう事ができました!

Marippe
Marippe

高見ブルーと霧氷に感動!!
ぜひYouTube動画も参考にしてくださいね(^^)/

霧氷バスは直通なのでとても便利ですが、もし予約が取れなくてもアクセスが可能ですので諦めないでください(^^)/

下山後「たかすみ温泉」へ

登山口へ下山したあとは橋を渡ってたかすみ温泉へ向かいます。入口の横に洗い場があるので、靴の汚れをブラシで落としてから入りましょう。

券売機で入浴券を購入し(現金のみ)、受付を済ませます。

登山用リュックは脱衣所ロッカーに入らないので縁側に並べて置いておくように言われました。着替えなど持ち運べるようなエコバックがあると便利です。

ヒノキの香りに癒される木の内風呂と露天の岩風呂、大自然に囲まれた癒しの温泉です。

詳細

【料金】大人:500円
【営業時間】11:00~21:00(時間外は駐車場閉鎖)
【定休日】木曜日(祝日の場合は翌日が休み)
【連絡先】0746-44-0777

※メンテナンス等で臨時休業することもあるので事前にHPで確認してくださいね

http://higashiyoshino.com/pg66.html

高見山登山の注意点

注意点

  • 冬は必ずアイゼンを持参(ゲイターもおすすめ)
  • 山頂付近かなりの強風なので防寒対策は必須
  • 山頂は狭いので譲り合って景色を楽しんでください
  • 山頂にある小屋はあまり広くありません
  • 撮影するときは周りの登山客に迷惑がかからないように

冬の持ち物チェック

持ち物チェック

  • アイゼン(軽アイゼン可)
  • 帽子(ニット帽などの耳が隠せるもの)
  • ネックウォーマー(首からの冷気を塞ぐだけでかなり暖かい!)
  • 手袋(インナーを組み合わせて2重にするのがおすすめ)
  • サングラス(雪の反射で目をやられるので晴れた日は必須アイテム)
  • ゲイター(靴への雪の侵入を防いだり、ズボンや靴の汚れ防止に)
  • カイロ(寒いと携帯のバッテリーがすぐになくなるからポケットで温めておくのがおすすめ)
  • 保温ボトル(休憩時に温かいものを摂取すると生き返ります)
  • レジャーシートと座布団(あるとかなり便利です)
Marippe
Marippe

チキンラーメンだと水筒のお湯でも熱々(^^)/
(カップヌードルはなぜかぬるくなっちゃう)
※水筒は熱湯で一度保温しておいて、家を出る直前に熱湯を入れなおします

詳しく別記事でまとめています!

季節に関わらず防寒対策は必須

防寒対策を考える時に意識することは「一晩山の中で過ごしても寒さを凌げるかどうか」です。

何をプラスすれば良いかは季節や天気・登る山によっても変わりますが、平地に比べて山の上は気温が低くなること、山の標高が高ければ高いほど気温はさらに下がっていくこと、風が吹けば体温を奪われてより一層寒くなること、を考えて準備します。

ポイント

  • 春~秋はレインウェアが防寒対策にもなる
  • 雪山ではアルパインウェアを着用する
  • 中に着るものを一枚プラスで準備する

小屋は狭いので休憩できるとは限りません

山頂にある小屋は15人ほどが座ると満席になります。必ずここで休憩が取れるとは限らないので要注意。また長い時間占領せず、食べ終わったら外に出ましょう。

バーナーでお湯を沸かすと時間がかかるので、こういう時に保温ボトルが大活躍します。1人10分ほどで休憩を終えると回転率が上がると思うので、登山者一人一人が他人を意識するのってすごく大切だなと感じます。

譲り合いの精神で楽しみましょう

小峠からの登りでは道が狭くなる箇所が多くなります。

基本的には登りが優先ですが、少し立ち止まって休憩をはさみたい時には下ってくる人に声をかけてあげる、後ろから来た人に道を譲って先に進んでもらうなど、コミュニケーションを取りながら譲り合って登りましょう。

山頂は狭いので、休憩する人や景色を眺める人でごった返す事があります。

ゆっくりと景色を眺めたり写真を撮りたい気持ちはみんな同じです。周囲を見て自分が邪魔になっていないか時々確認するようにしましょう。

注意喚起|撮影に夢中で周りが見えていない人へ


YouTubeのために動画を回したり、YAMAPへ投稿するための写真撮影など、私自身が立ち止まってカメラを構えることが多いので、これはあくまでも注意喚起なのですが。

Marippe
Marippe

私も気をつけないと!と感じた出来事でした・・・

高見ブルーと呼ばれる青空が広がって、真っ白な樹氷とのコントラストが本当に美しかったのですが、数名のグループが撮影に夢中で、完全に登山道を塞いでしまっていたのです。

山頂を目指して登っていた私たちは、しばらく撮影が終わるのを立ち止まって待っていたのですが、樹氷に夢中でスマホを空に向かって構えていたのでこちらに気づく様子がありませんでした。

狭い登山道なので我々がすれ違う時にやっと気づいて、1人は「あ、すみません」と少し避けてくれたのですが、他の人はお構いなしです。

撮影に夢中で周りが見えていないというのは、こんなにも人様に迷惑をかける行為なんだなぁと改めて勉強になりました。

ところがそこへ、下山してきた年配の男性の怒号が響き渡りました。もちろん、そんなところで撮影していたら邪魔だということの怒りだったのですが・・・

Marippe
Marippe

にしたって…物の言い方ってあるんじゃないかな…

これぞまさに「正論を振りかざす」ってやつですね。

いくら正しいとはいえ見ているこちらもいい気分がしないし、言われたあの人たちも、せっかくの楽しい登山の思い出が壊れてしまったのじゃないかなぁなんて考えてしまいました。

美しい景色を求めて山に登るのだから夢中になってしまう気持ちもわかりますし、ルールを守らない人に対して腹がたつ気持ちもわかるのですが

せっかくの登山が嫌な思い出にならないように、登山者一人一人が周囲に気を配ることでこういったトラブルが無くなればいいなと感じた出来事でした。

まとめ

マイカーを持たない私たちにとって高見山は「霧氷バスでしか行けない山」だと思っていたのですが、実際にコミュニティバスを利用してみたので、自信をもっておすすめいたします(^^)/

ぜひこれからの山歩きに活用してくださいね!

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