問)冬に登山したいと思いますか?
この記事を読まれている方の中には「今年登山をはじめたばかりです」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
冬山というと雪だったり凍結だったりと危険が増しそうだし、必要な装備も多そう・・・と不安な点がたくさんあるかと思います。
それに、寒い中わざわざ出かけて山に登るなんて・・・と、寒いのが苦手な方は特に「ありえない!!」と思われるかもしれませんね。その気持ち、めちゃくちゃわかります・・・。

去年の私がそうでした。
でもいざ登ってみるとすごく良かったよ~!
個人的には一年で一番おすすめの季節です!
とはいえ、知識や下調べなしに普段通りに山へ行くことはやはり危険かなと思い、去年はじめて冬に登山してみて、経験してわかった事・感じたことを4つに分けてまとめてみました。
第1回目は「冬登山のおすすめポイントと注意点」です。
冬山シーズンとはいつからいつまで?

暦上の冬は12月~2月のことを指しますが、登山における「冬山シーズン」とはいつからいつまでの事を指すのでしょうか?
標高2,000m以上の高山→11月中旬~5月上旬
標高1,000m程度→12月~2月
日本スカイランニング協会では、標高2,000m以上の高山では11月中旬~5月上旬までの約半年間、標高1,000m程度の里山では12月~2月としています。(但し地域・山域やその年の気候によって異なる)

今年3月5日に六甲を縦走した時はまだ雪が残ってました。武奈ヶ岳や蓬莱山では3月でもしっかり雪が残ってるので注意が必要ですよ。
冬登山のおすすめポイント

ここでは積雪があまりない標高1,000m程度の低山登山をおすすめしています。
※低山でも積雪の多い山岳(積雪20㎝以上)は避けましょう
これについては第3回目の「雪山登山について」で詳しく解説します!
虫がいない

春から秋にかけて悩まされてきた虫の数々。
蚊・ハエ・蜂・アブ・マダニ・毛虫・ヤマビル・・・
高所へ行くといないだろうと思ったら、鳥取の大山山頂も虫が大量発生していたのには驚きましたね。
虫たちの多くは卵や蛹で冬越しをするため、冬になるとそれらがいなくなり快適な登山が楽しめるのです。個人的にはこれが一番のおすすめポイント!
「登山って虫との闘いやん・・・」
いざ登山を始めたものの、虫が苦手で足が遠のいていた方には朗報ですね。
おまけに蛇やクマといった危険生物も冬眠するので安心!
注)中には眠りが浅いと巣穴から出てくるクマもいるので絶対とは言い切れませんが・・・
景色が綺麗

「冬は空気が澄んでいる」とよく言いますが、実際にそれを感じました!
空気中の水蒸気・ちりの量が少ない=空気が澄んでいる
空気の澄み具合というのは、空気中に含まれる水蒸気やちりの量によって変わってくるそうで、冬は夏に比べて気温が低く、対流活動も弱い為に空気が澄んでいるのだそうです。
空気が澄んでいると遠くまで見渡せるので、景色もくっきり綺麗だし、歩いていると「空気が美味しい!」とすごく感じます。
そして、夜景は特におすすめ!
夏に見る夜景と冬に見る夜景、全然違いますよ♪
人が少ない

こうして冬登山の魅力をお伝えしようと思ったのも、やはり「冬は登山しない」という人が想像以上に多いからです。
ですが、逆に人が少ないことがプラスだったりもしますね。
静かに山を歩きたい人にとって、人気の山は人が多すぎてちょっと…と思ってしまいますが、登山人口が減る冬こそ人気の低山に登るチャンス!
紅葉シーズンなんて特に、人が多くてすれ違うのも大変でしたからね・・・。
プチ雪山体験

大阪市内に住んでいると積雪を経験することってほぼ無いのですが、それでも雪がチラつくような寒い日が時々あります。
そんな時山へ出かけると、普段は積もらない山でも想像以上に雪が積もっているんですよね。これにはテンションあがります。
雪って音を吸収するからほんっとに静か。
シーンと静まり返った山中に「ギュッギュッ」っと雪を踏みしめる音だけが響いて、なんだか神秘的で異空間な世界。スキーの経験はあるんですが、この世界感は初めて体験したので感動しました!
新雪はアイゼンがなくても歩くことができます。ただし、濡れた木の根や岩場は滑るので、普段より注意は必要です。(第2回で持参するアイテムについてまとめています)
注)雪が深くてルートが不明瞭な場合は無理せず撤退しましょう
冬登山の注意点

虫のいない快適な山歩き、プチ雪山体験もできる冬の低山登山ですが、ここからは注意点についてまとめています。ぜひ参考にしてくださいね。
バスの運休・道路情報等の収集

12月はまだ雪が降り始めたばかりなので、本格的な雪山になるまえに!とお出かけになる方がいらっしゃると思います。ですが、注意したいのがアクセス情報。
バスを利用して登山をされる方は、事前に運行状況の確認をお願いします。※出町柳駅から坊村へのバスは12月16日から運休しています
車を利用される方は、積雪や通行止め等の道路状況の確認をお願いします。※奈良県冬季通行止め 滋賀県道路情報 京都府道路情報
荷物が増える

冬の登山は持ち歩くアイテムが確実に増えます。
春から秋にかけて30ℓ未満のザックを愛用していた方は、もしかすると「容量が足りない!?」なんて事になるかもしれません。
持ち物を減らすのではなく、必要なものが持ち運べるだけのザックを用意しましょう。

冬登山を経験して30ℓザックに買い替えました。それまではコロンビアの20ℓザックを使用(吹き出し写真参照)
暗くなるのが早い

冬至(12月22日)は一年で一番昼が短い日
日の入りが早い冬は日が傾くのも早くて、14時を過ぎると暗く感じることがあります。そして、暗くなると一気に気温も下がるのです。
冬は10時には山頂に着いて14時までには下山するようにと言われていますね。
私たちは、朝は早くて8時、遅くて9時から登り始めて、14時から15時に下山完了の予定で計画を立てていました。朝が早くても寒すぎるので・・・。
活動時間はせいぜい5時間程度なので、登る山も限られてきます。低山をおすすめする理由はココにも関係していますね。
季節に関係なくヘッドライトは必ず持ち歩いていますが、寒いと電池が消耗しやすいようなので、替えの電池も必ず持ち歩きますよ。(冬じゃなくても持ち歩いてますが)
防寒対策

どんなに寒くても山を歩きだすと体が温まり、汗をかくほどにまで体温は上昇します。ですが、低体温症や凍傷などを回避するためにも、十分な防寒対策は重要だと感じました。
例えば、必須アイテムの手袋で説明すると「インナー+グローブ」の2枚重ねがおすすめ。
保温性のあるインナーグローブの上に、防風・防水仕様の大きめグローブを重ねる、といった使い方をします。
雪が積もっているような特に寒いところでは、軽アイゼンを装着するときも、スマホを触る時も、基本的には手袋を装着したまま「山では絶対に外さない」が基本的な考え方です。
その為、インナー手袋は手指にフィットしていて、スマホを操作できるようタッチパネルに対応したものが多いです。
その他、耳を覆えるニット帽やネックウォーマー、防寒ジャケット等の寒さを凌ぐ物だけではなく、濡れてしまった時の替えの靴下や下着なども準備します。これらは次回の「持参する10のアイテム」で説明しますね。
まとめ
冬の低山登山、しっかり寒さ対策さえすれば一年で一番快適♪だということが理解していただけたでしょうか?(少しだけでも伝わっていたらいいな~)
一度雪の中を歩くと「雪山」にハマってしまうのですが、本格的な雪山登山を始めようとすると装備にかなりお金がかかってしまうんですよねぇ・・・
今年の冬は12本アイゼンや冬用の登山靴を準備して、もうすこし雪の多い山岳にチャレンジしようと考えていたのですが、靴を準備するだけでも2人で10万円以上するので(絶句)
今年も引き続き低山登山&プチ雪山歩きを楽しみたいと思います!
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