登山を始めるにあたってまず必要となる物が登山靴です。
3種の神器(登山靴・ザック・レインウェア)の中でも一番重要で、身の安全のためにもポイントをおさえて慎重に選びたいところ。
なぜ登山靴は必要なのか?
どんな登山靴を選べばいいのか?
初心者さん向けに詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
登山靴はなぜ必要なのか?
登山靴は3種の神器の一つで、安心安全に登山するために必要不可欠なアイテムだと言われています。
山道は整備された歩きやすい道ばかりではありません。落ち葉や砂などで滑りやすかったり、石がゴロゴロ転がっていたりします。険しい山になれば岩をよじ登ることもあるでしょう。
硬い靴底は足裏にかかる衝撃を軽減してくれます。
靴底の裏は様々な形のソールパターン(模様)があり、ハイキングシューズよりもトレッキングシューズの方が溝が深くなっていて、より滑りにくい仕様になっています。
多くの登山靴には防水性があり、突然の雨や渡渉(川を渡ること)時に靴の中が濡れないような作りになっています。
このように、足をケガしないよう様々な工夫がされている登山靴は、安心安全に登山を楽しむために必要不可欠なアイテムだと言えます。
登山靴の特徴や必要性などはこちらの記事でも解説しているので、よければ覗いてみてくださいね。
登りたい山をイメージしよう
「どんな山に登る予定ですか?」
これ、私が登山靴を買いに行った時、店員さんに一番最初に聞かれたことです。
登山靴=トレッキングシューズ
というわけではありません。
山は山でも「ハイキングがメイン」の人がトレッキングシューズを選んでしまうと、逆に足を痛めてしまう可能性もあります。ハイキングの場合はやはり「ハイキングシューズ」が最適。
登山スタイルに合わせて靴選びはスタートします。なので、準備段階として「登りたい山をイメージ」しておきましょう。
おすすめ|登山用靴下を準備しておく
登山靴の試着の際は必ず登山用の靴下を履いてから試着します。
売り場でも貸してもらえるのですが、靴下の厚みが変わると靴のフィット感も変わってくるので、事前に準備して手持ちの靴下に合わせて靴を選ぶ方がいいそうです。
また、靴と靴下はセットなので買い替える場合は同じ種類のものを選ぶのがベスト。通気性のいいメリノウール素材は夏場でも不快感がないのでおすすめです。
登山靴を選ぶ時の4つのポイント
登山靴を選ぶ時の4つのポイントを解説します。
見た目やメーカーで決めない
好きなメーカーや色などそれぞれ好みがあるかと思いますが、登山靴選びで重要なのは「自分の足にフィットするか」という点です。
スニーカーもメーカーによって靴の幅や甲の高さなどが違いますよね。登山靴も一緒で、海外のメーカーの物は幅広の日本人の足に合わない事も多いようです。メーカーや見た目の可愛さだけで選ぶと後々後悔することになりますよ。
いろいろなメーカーの物をピックアップして、必ず試着しましょう。この時店員さんに足のサイズを測ってもらうこともできますよ。
日本人の幅広・甲高の足に合うと言われているのが日本のメーカー【キャラバン・モンベル】です。フランス発の【サロモン】も幅広タイプがあるのでおすすめ。
カットの高さ
登山靴は足首周りのカットの高さが3タイプに分かれています。それぞれ特徴があり登山スタイルによって選ぶカットの高さが変わってきます。
ローカット
スニーカーに近いデザインで軽くて靴底も柔らかいです。そのため歩きやすく舗装された道路や整備された山道を歩くのに適しています。また湿気がこもりにくく蒸れないので暑い季節に適しています。
半面、足首をホールドしていないので捻挫する可能性も。小石や落ち葉などが侵入しやすい、といった弱点や、石が多い場所・岩場を歩くのには適しません。また、スニーカー同様、足が前滑りしてつま先を痛めやすいです。
ミドルカット
ハイとローの中間ぐらい。足首はホールドされていて安心感があり、ハイカットよりも歩きやすい。登山を始めるならオールマイティなこちらがおすすめ。
ただ舗装された道は歩きにくく下手に歩けば足首を痛めることも。
ハイカット
足首をしっかり固定するタイプ。ガッシリとした作りで足場が不安定な険しい山を歩くのに適しています。半面、平地では歩きにくく、重くて疲れやすい、着脱がしにくいといった特徴も。
登る山を選ぶので「登山スキルがあがってきたから険しい山にも挑戦したい!」といった時に、2足目として購入することが多いかなと思います。
ソールの硬さ
見た目は同じでも、靴底の硬さが違ったりするので注意が必要です。
靴底が曲がらないハードタイプは岩稜帯や残雪期の登山向け。低山や縦走登山にはつま先が曲がるソフトタイプを選びます。
防水機能
突然の雨や川の渡渉時など、靴の中まで浸水することを防ぐためにも防水性は必ずチェックしておきましょう。メーカー独自の透湿性素材やゴアテックス素材が使われているものが多いです。
人気のメーカー
ここでは5つの人気メーカーをご紹介します。
モンベル
大阪に本社を持つモンベルは、登山用品やアウトドア商品の開発をしている会社です。機能性がありながら軽量、値段も他のメーカーに比べて安いので登山者に大人気です。「登山用品は全てモンベル」という人も多いですよ。
モンベルクラブ(年会費1500円)に入会すると、全国各地のフレンドショップで割引などのお得な特典が受けられます。ポイントがたまるしオンラインショップは送料無料とお得感満載。
モンベルのアルパインクルーザーを履いている人、かなり多いです。ゴアテックス使用、ソール部分の張替えが可能となっています。
値段は女性用が20900円。男性用が21450円。
キャラバン
1950年代、日本山岳会隊のために長いアプローチ用登山靴として開発されたというキャラバンシューズ。足の幅が広く甲が高い日本人の足にフィットする作りで、登山初心者におすすめされる一足です。低山はもちろん、富士山もOK
私はこれの黒を選びました!
サロモン
フランス発、ウィンタースポーツ用品で有名ですが、近年はトレイルシューズやトレッキングシューズにも力を入れているようです。
夫は3MIDの赤を購入しました。ハイカットと書いてますが、見た感じ完全にミドルカットです。ひもを通すフックも少な目です。
コロンビア
アメリカ発のコロンビアはパタゴニアと比べて値段も手ごろ。
機能性もよく、おしゃれなデザインが多いので「好きなアウトドアブランドランキング」では、パタゴニアに次いで第三位を獲得しています。
ちなみに1位はモンベルですって!
https://ranking.net/rankings/best-outdoor-brands
お値段が1万3千円ぐらいなので有名ブランドの割にかなりお安いかなと思います。
KEEN
こちらもアメリカ発。デザイン性があってタウン用としても人気ですよね。
KEEN製品は小さめなのでワンサイズ大きめがいいみたいですよ。
実は私、これが欲しかったんですけどサイズがなくて諦めました・・・
靴紐が2色入っています。
店員さん曰く、KEENのアウトソールは滑りやすく初心者には不向きとのこと。この言葉で諦めがついた、といった感じです。
3つ並べてみました。
KEENのアウトソールはパーツが大きくてしっかりしてそうですが、ゴムではない素材がなんだかツルツルしていて確かに滑りやすそうでした。
オールレザーなので履き込むうちに味がでてだんだん足に馴染むんでしょうけど、岩場や急斜面などではすこし不安かもしれませんね。
それと、天然レザーなのでお手入れも必須です。
購入までの流れ
- step1好みの靴をピックアップ
色や形、デザインなどざっとみて好みの物をピックアップしておくのがおすすめ。
- step2店員さんに相談
足のサイズを測ってもらい、気になっている靴のサイズを出してもらいましょう。
種類が多すぎて選べない場合は店員さんに相談しましょう。登りたい山や登山スタイルを伝える事でピックアップしてもらえますよ。 - step3登山用靴下をはいて試着
試着には必ず厚めの登山用靴下をはきます。自分であらかじめ準備しておくか、無い場合は売り場で貸してもらいます。
試着の方法
- ①つま先をトントンして足をつま先側に寄せる
- ②かかとの隙間が1センチ程度あるか確認
- ③かかとをトントンして足をかかと側に寄せる
- ④靴紐を一番下から順にきつく締めていく
- step4売り場内を歩いて確認
売り場内にあるスロープなど使って実際に坂道を歩いてみます。
痛みを感じなければOK
購入したら
- 数回履いてなじませておく
- 防水スプレーをする
山へ行く前に何度か履いて、足に馴染ませておくのがいいそうです。「足首が固定されて平地では歩きにくいから、歩き方の練習にもなるよ」と店員さんにおすすめされました。
また、防水機能があっても汚れを付きにくくするために防水スプレーを振っておくのがおすすめなんだそう。
ただ、薬剤が靴底についてしまって滑りやすくなったという声もあるので、靴底には付かないよう注意してください。
まとめ
「買いにいく時間がない」とネットで購入したくなりますが、初めての登山靴選びではぜひ売り場に足を運んで、どんな靴が自分の足に合うのかフィッティングしてみてくださいね。
自分の命を守ってくれる大切な登山の相棒です。妥協しないでお気に入りの一足を見つけてください♪