基礎知識 登山の基本

【山選びの基準とは?】登山・トレッキング・ハイキングの違いを知って安全登山をはじめましょう

登山靴をお店に買いに行ったとき、売り場には「ハイキングシューズ」や「トレッキングシューズ」がずらりと並んでいました。

Marippe
Marippe

トレッキングって何だろう?

登山初心者の私がまずはじめに抱いた疑問です。

トレッキングとハイキングの違い、そもそも登山の定義とは?ここがわかれば「どの登山靴を買えばよいか」だけではなく「山選びの基準」までわかるようになります。

最初に覚えたい登山の基礎知識として「登山・トレッキング・ハイキングの違い」を解説していきますので、安全登山を計画するためにもぜひ覚えてくださいね。

登山の定義とは?欧米との比較

日本における登山の定義

  • 山頂を目指し山に登ることを目的とする
  • 歩行レベルが高い
  • 鎖場やはしごを登ったり、ロープやハーネスなど道具を使って登る

日本での登山の定義はハッキリとは確立されていませんが、一般的に「歩行レベルの高い山の山頂を目指す」事を指します。

欧米での登山の定義

アイゼンやハーネス、ピッケルなど専用の装備を使って山頂を目指すクライミングのみを登山とする

一方欧米では、道具を使わない山登りは「トレッキング」に分類され、「登山」とは明確に区別されています。

日本では単純に「山の山頂を目指して登ること」を登山と言ったりしますが、海外では、難易度が高く道具を使わないと登れないような山に登ることのみを登山と言います。

海外の方に「趣味は登山です」というと驚かれますので、「趣味はハイキングです」と言うようにしましょう(笑)

トレッキングとは?

トレッキングの定義

  • 山の中を散策して無理なく自然を楽しむことを目的とする
  • 難所を登ることはなく、必ずしも山頂を目指すわけではない

あまり耳にしたことが無かった「トレッキング」という言葉。

  • 難所を登ることがない
  • 必ずしも山頂を目指さない

ということで、登山というよりはハイキングに近いイメージです。

トレッキングの種類

  • 川沿いを歩く「リバートレッキング」
  • スノーシューを履いて雪山を歩く「スノートレッキング」
  • 稜線を何日もかけて歩く「ロングトレイル」

ハイキングの定義とは?

ハイキングの定義

  • 歩きながら風景や自然を楽しむことを目的とする
  • 難所を避ける
  • 山に限定されない
  • 整備された歩きやすい道を歩く
  • アップダウンが少なく歩行レベルが低い
  • 2~3時間で歩ける距離

ほかの2つと大きく違う点は

  • 山に限定されない
  • 歩行レベルが低い

というところでしょうか。

一般的にハイキングコースは平坦な道が多く、スニーカーや軽装で歩けるという特徴があります。山に限定されず登山装備も必要ありません。

3つを比較|登山・トレッキング・ハイキング

それぞれの定義から、3つを比較してみましょう。

ハイキング<トレッキング<登山

ハイキングトレッキング登山
距離短~長中~長
標高差小~大
山頂×
難所
装備軽~重
https://clublog.club-t.com/_ct/17360225

ハイキングはレベルが低く、登山はレベルが高い一方で、トレッキングはその中間を表すことが多いようです。

わかりやすくいうと
・登山道具を必要としないものをハイキング
・登山の装備は必要とするが必ずしも山頂を目指すわけではないものをトレッキング
・しっかりとした登山装備で山頂を目指すことを登山
という感じですね。

定義があいまい?|歩く人の主観によって異なる日本

日本では、登山・トレッキング・ハイキングの3つにはそれほど大きな違いはなく、「歩く人の主観によって異なるのでは?」という説明もありました。

例えば、とある3人(Aさん、Bさん、Cさん)が高尾山に一緒に山歩きに行き、同じルートを歩いたとします。それぞれが翌日に下記のように話していたとしても、誰かが間違っているということは無いのです。

A「昨日、高尾山に登山に行った」
B「昨日、高尾山にトレッキングに行った」
C「昨日、高尾山にハイキングに行った」

https://clublog.club-t.com/_ct/17360225より引用

山頂に登っているから登山ではあるけれど、高尾山は歩きやすく整備された観光地でもあるからハイキングと捉えてもおかしくはない、のかもしれません。

同じ山に登っても感じ方は人それぞれでどれも間違いではない。日本らしいなと妙に納得しましたよ。

山を選ぶ時の基準は「標高差と歩行時間」

山を選ぶときには「標高差」と「歩行時間」を必ずチェックします。上記の表にもある通り、距離や標高差があればあるほど難易度が増すからです。

登山ガイドではルートの難易度、標高差・歩行時間といった目安が必ずと言っていいほど記載されています。これを基準にして無理のない登山計画を立てることが一番大切です。

初心者はできるだけ難易度の低い山から登り始め、徐々に体を慣らすだけではなく、登山の知識も徐々に覚えていきましょう。

Marippe
Marippe

登山2回目で標高差約900m、歩行距離約10㎞の登山計画を立てました。無謀なチャレンジだったと登りながら後悔・・・。無知って恐ろしいですよ。

また、登山道に危険箇所はないか?のルート確認だったり、ロープウェイを利用するなら運行状況の確認など、事前のチェックもかなり重要ですね。

登山ツアーのレベル表(国内)

国内のツアーでは「登山」と「ハイキング」の2つに分類されています。さらにそれぞれの分野でレベルによりコースが分類されています。

この表は山を選ぶ際の参考にもなるのでぜひチェックしておいてください。

ハイキング

レベル歩行時間標高差
ミニハイキング2時間以内100m未満
ハイキング入門3時間以内100m未満
ハイキング初級2~5時間程度100m~300m
ハイキング中級5時間以上100m~300m
https://clublog.club-t.com/_ct/17360225

登山

レベル歩行時間標高差
登山入門4時間以内500m未満
登山初級A4時間以上500m以上
登山初級B5時間以上500m以上
登山中級A6時間以上700m以上
登山中級B7時間以上700m以上
登山上級※5時間以上500m以上
https://clublog.club-t.com/_ct/17360225

一方、海外では「登山」「トレッキング」「ハイキング」の3つに分類されています。これは上記にも書いたように、登山の定義がハッキリしているからです。

Marippe
Marippe

初めて登った深山は「ハイキング初級」
2回目の摩耶山は「登山中級」
なるほど、確かに無謀でした(汗)

まとめ

まとめ

  • 山のレベルは標高差や歩行時間により分けられている
  • レベルにより「ハイキング」「トレッキング」「登山」に分別される
  • 日本ではハッキリとした定義がない為人によって感じた方がそれぞれ違う


定義があいまいな登山・トレッキング・ハイキングですが、ツアーでは割と細かくレベル分けされています。登山初心者さんはぜひ上記の表を参考にして、徐々にレベルをあげながら体を慣らしていってくださいね。

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